『ヤマトよ永遠に』再鑑賞記:ツッコミどころ満載なのに、やっぱり泣ける、忘れられない劇場体験

アニメ語り

⚠️【注意】本記事には作品のネタバレが含まれる可能性があります。未視聴の方はご注意ください。

こんにちは、アニメ四十年戦士・ヒイロヒカルです!

今回は、人生で初めて劇場で観たヤマト映画――『ヤマトよ永遠に』を久しぶりに再鑑賞しました。

当時の興奮、涙、驚き……そして今見返すと「おいおい!」と笑いたくなる部分も山積み。
でも、それでもやっぱり好きなんです。今日はその思いを、全力で憧れと笑いを並べながら語らせてください。

1. はじめに〜あのときのスクリーンの記憶〜

『ヤマトよ永遠に』は、私が劇場で初めて観た宇宙戦艦ヤマトの映画。
テレビで観ていたあのヤマトが、スクリーンで動く! それだけで胸が熱くなったものでした。

大人になった今、あらためて見直してみようと思ったのは、最近のリメイク作『REBEL3199』の展開に心を揺るがされたから。
あの頃のヤマトを、今の視点で見たらどう映るのか――そんな期待を込めて再生ボタンを押しました。

2. アルフォンと森雪 ― 禁断の心理戦にドキドキした少年時代

今回見直してあらためて思ったのが、敵側のアルフォン少尉と森雪のシーン、めちゃくちゃ“大人”だった…!

子どもだった私は、
「アルフォン優しいけど…ダメだよ雪!好きになっちゃ!」
とハラハラしながら観ていた記憶がよみがえりました。

アルフォンは敵ながら品があり、どこか哀しみを湛えた好青年。
森雪に対して正直に出ることなく、静かに、優しく、「愛を受け入れてくれるなら、重核子爆弾の秘密を教えてもいい」と言う――

これ、よく考えるとメチャクチャ危険な心理戦ですよね。

それを受ける森雪の言葉がまたすごい。

「その秘密がわかるなら…たとえ地獄に落ちてもいい」
(=古代を裏切ってでも、任務を全うする)

えっ、これ一応子供向けアニメじゃないの?

愛を受け入れるってことはつまり・・・ってこと(汗)
今見てもゾクッとするレベルの緊張感と大人の駆け引きです。

そしてリメイク作『REBEL3199』ではこの関係性がさらに深掘りされていて、
アルフォンはより知的に、より戦略的に森雪を揺さぶってくるキャラとして描かれています。

効果的に強制するのではなく、「心理で落とす」方向に全振りしていて、まるでスパイ映画のような雰囲気。

今後のリメイクで、二人の関係がどう変化するのか――
森雪は再び地獄を覚悟するのか?
アルフォンは彼女に何を見ているのか?

見逃せない見どころのひとつです。

3. ツッコミどころ――愛してるからこそ言わせて!

どんなに思い出補正がかかっていても、「いや待てよ」ポイントはたくさんあります(笑)

● 古代守のあっさり退場

イスカンダルから帰還したばかりの兄・古代守が即退場。もっと見せ場を!せめて弟と落ち着いて話す時間を!

● ヤマト、なぜ敵本星をピンポイント発見?

宇宙広すぎなのに中間補給基地も母星も偶然発見…宇宙、意外と狭い?

● サーシャの成長速度

去年生まれたばかりのサーシャが、わずか1年で大人に!?成長早すぎて視聴者の認識が追いつかない!イスカンダル人、時間の概念バグってる。

● 敵の圧倒的科学力とザル警備のギャップ

重核子爆弾やサイボーグ軍団、未来地球の複製技術を持つ暗黒星団帝国。そのわりに、惑星の警備は穴だらけ!
サーシャが一人であれこれ解除できたり、聖総統自ら追いかけてきたり…人手不足すぎない!?

● 考える人の彫刻の手が逆

地球の未来を装うなら美術品の細部にもっと気を配れ!詰めが甘い!地球の知識に頼りすぎてるわりにチェックが甘い詐欺集団。

● 地球人の脳細胞だけを狙う超兵器?

あれだけの科学力があるのに、なぜわざわざ脅して交渉するのか。脳だけ破壊できるなら最初からそうしてれば勝ってたのでは?

● 未来地球の嘘演出が雑すぎる

地球そっくりの星に、ピラミッドや万里の長城、食事と酒まで用意して…って、
「古代たち、ちょっとは疑え!」って言いたくなるほどの芝居。
グラスに指紋がないことがバレなければ完璧だった…(笑)
ところで、ピラミッドや万里の長城はガミラスとの戦いで破壊されなかったの?修復したのか?

● ヤマトのメインクルー全員で偵察!?

偵察に出てるのがヤマトの主力メンバー全員だったら、そこでまとめてやられてたら地球終わってた説。敵のスルー力に感謝!

● なぜ波動砲に弱い設計?

暗黒星団帝国、波動エネルギーに弱い鉱物構成とか言っておいて、中心部だけは新波動砲でも効かないという矛盾構造。
「波動砲を恐れている」と言いつつ、「波動砲を凌駕する防御」も持ってるのは、設定上ちょっと都合良すぎ。

● サーシャ大活躍なのに敵は気づかない

惑星の出入り口を開ける、爆弾の起爆装置を破壊する、内部への誘導もこなす…
え?サーシャの動き、全部ノーチェックなの?敵の警備員は何してた!?

● 聖総統、自らサーシャを撃ちに行く働きぶり

部下はいないのか。社長自ら現場対応、お疲れ様です!

● ラストの敵母星への突入作戦

あまりにも敵の防御が手薄。
中心部だけ超合金で守ってるなら、もっと手前で防げる設計にしとこうよ!

4. 愛おしい理由〜ツッコミも涙もすべて含めて

どれだけツッコミどころがあっても、やっぱりこの映画が好きなんです。

なぜなら――泣けるから。心を揺さぶられるから。

音楽が素晴らしい。宮川泰による劇伴と、主題歌『愛よその日まで』の破壊力。
キャラクターたちの不器用なまでにまっすぐな愛と使命感。
そして「ヤマトが帰ってきた」というスクリーンから溢れる歓喜。

そのすべてが凝縮されたクライマックス――

『発射10秒前、9、8、7……6、5……サーシャ……4、3、2……』

カウントダウンは止まり、古代は発射装置を抱きかかえて身動きできない。
地球を救うためとはいえ、そこにいるのは、古代進にとって残された唯一の肉親、サーシャ。
その彼女がいる敵本星を、この手で撃つことなど、できるはずがない。

そこへ、後ろから聞こえる声――
『俺が撃つ。どけ、古代』

真田さんの、古代と同じ苦しみを抱えた、しかし“背負う覚悟”を持った声。静かで、強く、切ない。
古代は涙を浮かべて彼を見上げる――その姿だけで、もう堪らない。

そこへ重なる、サーシャの悲痛な叫び。

「何してんのおじさま、早く波動砲を」

こうなることは、サーシャ自身が最初から覚悟していた。
だからこそ、自分ごと撃ってくれと願う。
ヤマトが、人類が、未来が生き延びるために。

その直後、銃声――

サーシャが聖総統に撃たれ、モニター越しにもその命が絶たれるの明らか。

『畜生、サーシャー!!』

古代の絶叫とともに、波動砲が発射される――あの刹那、すべての感情が爆発した瞬間でした。

怒りと悲しみ。迷いと覚悟。愛と喪失。
一発の波動砲に込められたのは、兵器としての火力ではなく、人間としての葛藤と祈りだったのです。

そして、静かに流れ出す主題歌――『愛よその日まで』。

ヤマトが地球に帰還し、古代と雪がようやく再会し、抱き合うあのシーンで流れるこの楽曲。
温もりと救いのある旋律が、しかしそこにサーシャの姿がないことを、胸に刻みつけてくる――

「生きて再会できる喜び」と「永遠に会えなくなった悲しみ」の対比。
その両方がこの歌に込められていて、涙が止まりませんでした。

“人は愛に、何を求めるのか”――そんな哲学すら感じさせる、あまりにも美しい主題歌。

そして、私は静かに思いました。

これが『ヤマトよ永遠に』。
これが、ヤマトなんだ。

5. おわりに〜永遠の記憶と未来への期待〜

『ヤマトよ永遠に』は、私のアニメ体験の原点のひとつ。

どこか粗削りで、時代を感じる演出や矛盾もある。
でもそれらすら、「観る者の心を動かしたい」という情熱の現れ。
突っ込みどころがあっても、それごとひっくるめて大好きな作品です。

そして今、『REBEL3199』で再びこの物語がよみがえる。
『REBEL3199』では、ヤマトよ永遠にだけでなくヤマトIIIの要素もふんだんに盛り込まれた内容になっています。

どんなふうにサーシャの運命が描かれるのか、デザリアムは地球の未来なのか、ガルマン・ガミラス、ボラー連邦との関係はどうなるのか――

今この時代だからこそ、再び“ヤマトよ永遠に”の魂が語られることに、大きな期待を寄せています。

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