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『宇宙戦士バルディオス』のS1星と放射能汚染を考察する

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アニメ・コミックアニメ語り宇宙戦士バルディオス

⚠️【注意】本記事には作品のネタバレが含まれる可能性があります。未視聴の方はご注意ください。

はじめに

どうも、アニメ四十年戦士、ヒイロヒカルです!今回は、SFロボットアニメの名作『宇宙戦士バルディオス』について熱く語ります!

宇宙戦士バルディオスについては、以前の記事も見てほしい。

この作品は、核戦争で放射能汚染された未来の地球=S1星が舞台。S1星人が過去の地球を侵略するという、なんとも壮大なストーリーが展開される。でも、ちょっと待ってくれ。

本当にS1星は「滅亡する運命」だったのか? そもそも彼らは、星を捨てる必要があったのか? そこに政治的な思惑や、裏に隠された権力争いがあったのではないか?

今回の考察では、小説版(ソノラマ文庫、集英社文庫)の設定を踏まえながら、S1星の放射能汚染の実態、軍部と科学者グループの対立、そして彼らが星を放棄した背景に迫っていくぞ!


1. S1星の状況と放射能汚染

1.1 小説版の設定

小説版では、S1星(=未来の地球)の時間軸は2350年とされている。200年以上前に50メガトンの核兵器が使用され、放射能汚染が進み、地下シェルターすら汚染されるほどの危機に瀕しているとされる。

だが、ここで疑問だ。50メガトン程度の核爆発で、地球規模の放射能汚染なんてあり得るのか?

ツァーリ・ボンバ(ソ連が開発した世界最大級の水爆)が50メガトンだったが、それ一発で地球全体が壊滅するわけじゃない。これは単なる爆発じゃなく、「数千メガトン規模の核戦争」が発生したと考える方が合理的だ。50メガトンというのは誤記なのかもしれない。

そしてもう一つ。200年以上経過しても、本当にS1星は生存不可能な環境だったのか?

1.2 放射能の減衰と生存可能性

放射性降下物(フォールアウト)の影響は、半減期によって時間とともに低減していく。

  • ヨウ素131(半減期8日):数週間でほぼ消滅
  • セシウム137(半減期30年):200年後には約1/1000に減衰
  • ストロンチウム90(半減期29年):200年後には1/1000以下
  • プルトニウム239(半減期2万4000年):依然として存在するが、致死レベルの影響は局所的

つまり、200年以上経てば、地上の放射能レベルは致命的な水準ではなくなっているはずなんだ。

それにも関わらず、S1星は「放射能汚染によって滅亡する」とされていた。この矛盾の背景には、政治的な思惑が絡んでいたのではないか?


2. S1星人の選択:なぜ星を捨てたのか?

S1星には約1億人の人口が存在し、さらに高度な科学技術を有していた。にもかかわらず、彼らは母星を放棄し、地球侵略を計画した。その決定の背景には、軍部の独走と科学者グループとの対立があったと考えられる。

2.1 軍部と科学者の対立

S1星では、軍部と科学者グループの間で激しい対立があった。

  • 軍部の主張:「S1星は2年で滅亡する! 早急に他の星へ移住しなければならない!」
  • 科学者グループの主張:「S1星の生存には放射能ろ過循環装置が必要。これを開発すれば生き延びることが可能!」

どちらの主張も「S1星は2年で滅亡する」という前提に立っていたが、果たしてそれは真実だったのか?

2.2 権力抗争と虚偽の「滅亡」説

S1星の政治体制には、皇帝と議会が存在していた。しかし、皇帝の権威は弱く、軍部の影響力が強かった。皇帝は科学者グループ寄りの立場を取っていたと考えられる。

  • 皇帝は軍部の独走を恐れ、科学者グループと接近。
  • 科学者グループもまた、自らの影響力を維持するために皇帝と協力。
  • しかし、軍部はクーデターを起こし、穏健派の皇帝と科学者グループを排除!
  • その結果、「S1星は滅亡する」という軍部の主張が唯一の正解となった。

これを見ると、「S1星は滅亡する」という説は、必然的なものではなく、軍部と科学者グループの権力抗争によって作られた虚偽の可能性がある

2.3 放射能ろ過循環装置の真の目的

レイガン博士が開発していた放射能ろ過循環装置は、放射能を除去する技術であったが、本当に必要だったのか?

  • 200年以上経過していれば、放射線レベルは自然減衰している
  • 局所的な高濃度汚染地域を避ければ、生存可能なエリアは確保できたはず
  • そもそも「2年で滅亡する」という主張自体が誇張では?

科学者グループが放射能ろ過循環装置の開発を推進したのは、純粋な人道目的ではなく、研究費の確保や政治的影響力の維持を狙っていた可能性もある。

2.4 S1星に残った人々

軍部の主導で多くのS1星人が星を離れたが、全員が移住したわけではないのでは?

一億人という人口を考えると、一部の人々は、軍部の決定に従わずS1星に残った可能性もあり、彼らは適応し、独自の社会を再構築したのではないか?


結論:S1星は本当に滅亡する運命だったのか?

『バルディオス』の設定を再考すると、

  • S1星は実際には生存可能な環境だったのではないか?
  • 軍部と科学者グループの権力闘争によって、滅亡説が広められた可能性
  • 軍部の独走とプロパガンダによって、星の放棄が決定された
  • 科学者グループもまた、権力維持のために滅亡説を利用した可能性
  • S1星には、知られざる生存者がいた可能性がある!

もし軍部が侵略ではなく復興を選んでいたら、S1星の未来は違ったものになっていたかもしれない。そして、もしかすると、未来のどこかでS1星の真実を知る者が、再び立ち上がる日が来るのかもしれない。あなたは、この選択をどう考える?

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