どうも、アニメ四十年戦士、ヒイロヒカル です!
今回語るのは、あの衝撃の結末を持つロボットアニメ——『宇宙戦士バルディオス』 についてだ。
今では**「鬱アニメ」「バッドエンド作品」** というワードとともに語られることが多い本作。
しかし、リアルタイムでは 打ち切りにより未完のまま終わり、劇場版で改めてその衝撃のラストを迎えた という、いわば “伝説的” な作品でもある。
かつて小学生だった私は、アニメではなく 小説版 からこの物語に触れ、衝撃を受けた。
その後、10年越しの再会 を果たし、あらためてバルディオスの魅力、そして当時の自分が惹かれた理由を考えることになったのだった——。
塾帰りの本屋で出会った、バルディオスの物語
あの頃の私は、中学受験を控え、塾通いをしていた。
塾帰りに立ち寄る本屋は、束の間の自由時間。
コバルト文庫やアニメのノベライズ小説を手に取るのが、ささやかな楽しみだった。
当時、世の中はガンダムブーム 真っ只中。
だが、塾の友達のひとりが 「俺はバルディオスが好きなんだよ!」 と熱く語っていた。
「バルディオス……?」
ガンダムや宇宙戦艦ヤマトなら知っていたが、そのタイトルは聞いたことがない。
本屋を探してみると、ちょうど**『宇宙戦士バルディオス』の小説版** が並んでいた。
ページをめくると、そこにはガンダムとも宇宙戦艦ヤマトとも違う、独特の世界観が広がっていた。
- 放射能汚染で滅びゆくS-1星 から来た主人公・マリン。
- 祖国S-1星と戦うことになり、因縁深いアルデバロン軍の女性司令官アフロディアと敵対。
- そして彼女との間には、やがて恋愛感情が生まれる。
壮大なスケールの物語にワクワクしながらも、
「これはただのロボットアニメではないな……」と、当時の私は感じたのを覚えている。
そして、読み進めるうちに 予想を超える衝撃の展開 が待っていた。
小学生の私には重すぎた…絶望のラスト
バルディオスのラストは、小学生だった私の価値観を根底から覆した。
正義のロボットが悪の軍団を倒し、平和が訪れる——そんな王道の勧善懲悪モノ ではなかった。
- 地球は「人工太陽」による大津波で壊滅的被害を受ける
- 放射能汚染により、地球はS-1星と同じ運命をたどる
- アフロディアは死亡し、マリンも放射能により未来は絶望的
「地球の未来はS-1星だった」
この言葉の重さが、幼い私の胸に突き刺さった。
主人公たちは敵を倒したのに、何一つ救えない結末。
読み終えたとき、私は呆然としていた。
「こんな話があっていいのか?」と。
しかし、この絶望的なエンディングは、私の中で強烈な印象 を残した。
アニメを見たのは10年後——変わらない衝撃、違って見えたもの
当時、小説で衝撃を受けたものの、アニメを見ることは叶わなかった。
なぜなら、バルディオスはテレビ放映が途中で打ち切られ、完全な形で語られることがなかった作品だったからだ。
劇場版は公開されたものの、小学生が映画館に行くハードルは高かった。
ましてや、当時はビデオデッキが家庭に普及し始めたばかりの時代。
それでもバルディオスに惹かれ続けた私は、ムック本やサントラ(ドラマ版LP) を手に入れ、動いているバルディオスを想像しながら楽しんでいた。
それから約10年後、大学生になった私は、ついにレンタルビデオでバルディオスを観ることができた。
動くバルディオス——感動の瞬間。
しかし、冷静に見ると、ガンダムやマクロスに比べると メカデザインや戦闘シーンはやや見劣りする。
だが、人物ドラマはやはり良い。
そして、改めて見ても、やはり ストーリーが暗い。
小学生のときは単純に「衝撃」だったラストも、
大学生の自分には 「この結末に至るまでの必然性」 が理解できた気がした。
バルディオスは評価されるべきか? 鬱アニメとしての宿命
今の時代、バルディオスは**「鬱アニメ」「バッドエンドアニメ」**として語られることが多い。
しかし、その評価は決して高いとは言えない。
- ガンダムやマクロスのような成功を収められなかった
- 途中打ち切りという不遇の歴史
- 決して万人向けではない暗いストーリー
だが、それでも私はバルディオスを忘れることはできない。
この作品の何がそこまで私を引きつけたのか?
正直、うまく説明できない。
ただ、小学生だった自分にとって、衝撃的な作品と出会ったという体験そのもの が、
その後のアニメの楽しみ方に大きな影響を与えたことは間違いない。
中学受験というプレッシャーの中、現実逃避のように小説に没頭し、
その物語に心を揺さぶられた。
そして10年後、ようやく映像で見ることができたという経験が、
バルディオスをより特別な作品にしたのかもしれない。
今では配信で簡単に見られる時代に
あの頃は 「いつか本編を見てみたい」 と思いながらムック本やLPで補完していた。
今は 配信サービスで簡単にバルディオスを観ることができる。
当時の自分がこの時代を知ったら、どれだけ羨ましがることだろう。
鬱アニメと呼ばれようが、バッドエンドと揶揄されようが、
『宇宙戦士バルディオス』は、私の心を揺さぶった作品のひとつであることに変わりはない。
それでは、アニメ四十年戦士・ヒイロヒカル でした!
また次回、熱くアニメを語ろう!!
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